コラム
リビング熊本9月17日号 掲載記事
  • 小林武史
  • 小林武史・蒲島知事
  • 東田トモヒロ
東田トモヒロ
熊本地震は僕らに大切なものを教えてくれた
熊本地震は僕たちに、「大切なものは何か」を気づくチャンスをくれたんだと思います。本当に弱者を救済できるネットワークのある地域なのか。建物など構造物を作ることだけが復興なのか。そして、「復興のために頑張ろう」という気持ちが、本当に持続性のある(サスティナブルな)ものなのかどうか。
震災直後に熊本入りし、ボランティア活動などをされていた小林さん。彼とは9年前に「ap bank fes」に呼んでいただいたのがきっかけで知り合ってはいたのですが、ゆっくりお話しをする時間は取れていなかったんです。でも今回「すぐ会いたい」というお呼びがかかり、城南で再会したのが昨日のことのように思い出されます。
復興のために僕らができることそれは音楽
そこで互いの共通認識を確認しあったのが、「震災からの復興は、環境問題抜きにしてはならない」こと、そして「少しでも多くの困っている人の役に立ちたい」という思い。そこから、アーティストとして自然な流れで「人々の笑顔と自然を主人公にした、復興のためのライブをやろうよ」という話が持ち上がりました。
APバンクの方々は、商業的なフェスを開催されている人たちとは違う。常に「環境のこと」「サスティナブル社会」のための音楽、という強い意志を持って活動されているんです。そんな彼らが僕を仲間として迎えてくれて、対等につき合ってくれることが何よりも嬉しい。僕自身も「美しい地球を子供たちに残したい」と思いますが、一人で表現したり実行して行くことには限界もありますしね。
自然が求めている形に気づき僕らが復興の輪を広げる
音楽で復興の役に立つことは、僕一人の力では難しい。でも、想いをひとつにするAPバンクとその仲間たちの一員に加えてもらい、熊本のお役に立てるのが嬉しいんです。阿蘇の素晴らしさをお客さんと一緒に改めて体感し、より多くの人に伝えたい。それが広がって、自然環境を中心としたグランドデザインが熊本を拠点に世界に広がっていくことが、本当の意味での復興につながると期待しています。